著者 石原克己(いしはら・かつみ)
四六判 並製 271 ページ
「人はなぜ病いになるのか?」
薬理学を学んだ学生時代、この疑問に深くとらえられた著者の石原克己氏は、やがて伝統医療の世界に軸足を移し、治療家人生に入ります。それから44年。その間、日本の伝統医療界では重鎮の一人と目されるまでになる一方、ヒーリング・心理療法・催眠療法、さらには科学機器を利用した治療なども積極的に取り入れる革新的な治療家としても広く知られるようになります。
しかし、臨床の経験を積めば積むほど、逆に学生時代に抱いた疑問は消えない。その思いが本書を執筆する動機につながったといいます。著者から読者のみなさんへのメッセージをご紹介します。
「病いは自分とは関係のない、病原菌やウイルスが起こしている。病いは薬や手術で治す。それが現代の常識ですが、〈本当にそうだろうか?〉という疑問から本書は始まっています。薬や手術で〝病いと戦う〟ことが、本当の治癒になるのなら、なぜこんなにも多くの病院が世の中に必要なのでしょうか?人が病むのは他にもっと根本的な原因があるのではないでしょうか。そのことをみなさんになんとかして伝えたい、そう思ったことが本書執筆の始まりでした。
なぜ人は病いになるのか?——この問いを考えるためには、いのちとはそもそもどのようにして生まれてきたのかを考えなくてはなりません。
私たちのいのちというのは、生まれてきた瞬間に肉体に宿ったわけではありません。そのずっと以前に、はるかに遡れば、宇宙の始まりまでつながる長い長い時間のつながりの中で育まれ受け渡されてきたものです。その連綿とつづくいのちの働きに、私がつけた名前、それが「いのちの仕組み」です。
本書はこの「いのちの仕組み」をめぐる一つの旅のようなものかもしれません。いろいろな話題が出てきますが、でもそれらはすべてつながった一つのことでもあります。読んでいるうちに、私たちがなぜ病いになるのか、なぜ治癒ということが起こるのか、そして病いは私たちに何を伝えようとしているのか‥‥‥さまざまな疑問への答えが霧が晴れるように見えてくることでしょう。
本書には私がいちばん伝えたかったことがぎっしり詰まっています。これから医療の専門家を目指そうとする人もそうですが、医療を受ける側のみなさんにこそぜひ読んでいただきたい、そう思っているのです」
この一冊でみなさんの健康観、医療観がきっと変わります。