著者 七澤賢治(ななさわ・けんじ)
A5判 上製 220ページ
鎮魂は、現代では「亡くなった人の魂を鎮める」ための行為とされていますが、日本で古くから行われてきた鎮魂には、もう一つの意味がありました。それは生きている人の魂を浄化して一つにし、エネルギーを高めること。生きている人の魂がよいものになることによって初めて先祖の供養ができる、という考え方がそこにはありました。
その意味では、鎮魂とは「私」という個人の行為を超えて、世の中全体の、みんなのためを想う行為であったのです。天皇が新嘗祭の前に鎮魂祭を行う理由がそこにあります。
この鎮魂という行はさらに、現代の私たちにもう一つの恩恵ももたらしてくれます。それは今世界中で広く行われているマインドフルネスのような瞑想法としても優れた側面をもっているということです。それによって、穢れのない自分を取り戻す、ことはもちろんのことですが、未来に向かうエネルギーも生まれてくるところに、日本で生まれた鎮魂という瞑想法の奥深さがあるのだと思います。
【目次】
編纂者まえがき
1 白川における鎮魂
2 鎮魂と白川のご修行
3 鎮魂と天皇の役割
4 鎮魂の極意
5 鎮魂は「時」を超え「宇宙」をめぐる
6 鎮魂の意識進化へ
巻末資料
Ⅰ 中今
Ⅱ 十種神寶目録
Ⅲ 修理固成
著者プロフィール